むかつき日記(1999.11月)       スタッフご紹介

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最新の日記


11月30日(火)

 きょうは思い切っててんちょの背中に乗ってみた。てんちょは『やめろよ!なにすんだ』といってぼくを床に振り落とし、さらにケツにケリを入れた。『七味さんの時と態度が違うじゃ無いですか?』と抗議したら、『そんなことはない。スタッフは平等に扱っている』としらを切った。『じゃあ、ぼくもダッコしてください』と少し怒ったように言ったら、黙ってぼくをダッコしてくれた。『もういいか?』『はい』…なぜか涙が出て来た。

 明日から12月だ。気持ちを入れ替えて頑張ろう。


11月29日(月)

 どうも、てんちょと七味さんの仲があやしい。ふたりでみつめ合っていたり、こそこそ裏で話をしたりしている。一度てんちょが七味さんをダッコしているのも見かけた。よしこさんも七味さんがてんちょの耳をかじっているのを目撃したそうだ。店長が店のスタッフの女の子に手を出してもいいのか?職権を利用したセクシャルハラスメントではないだろうか?よしこさんは、七味さんがてんちょを誘惑しているのだという。ああ、真相を知りたい。

 夕方、新宿の伊勢丹でレディスブランドのお店で販売をしている方々が4人で来店してたくさんお買い物をしていった。『こんなところで、こんなにカワイイものを売っているなんて…』とびっくりしていた。なんだかすごくうれしかった。


11月28日(日)

 今日は天気もよく、晩秋らしい落ちついた休日だったと思う。

 この頃七味さんはてんちょの背中の上にいる。便利な乗り物だと思ってるのかもしれない。今度ぼくも乗ってみようと思う。


11月25日

 今日もお客さんが少なかった。夜7時すぎにはひとりも来なかった。かなしい。


11月24日

 今日は雨が降っていたためにお客さんが少なかった。夕方スウェードのジャケットやモータージャケットなどが届いた。結構いいかんじ。

 七味さんがてんちょの背中にのったりして、まとわりついている。何故だろう、それを見ていると気持ちが落ち着かない。…今度、七味さんを食事にでも誘ってみよう。


11月23日

 今日は勤労感謝の日だそうだ。


11月22日(月)

 今日は七味さんは天井裏に来なかった。なぜかとても寂しかった。

 よくマクドナルドやコンビニの前で上下ジャージ来てたむろしてるヤンキーの集団が夜、店の前にたまっていた。ヤンキーにこれをやられると他のお客さんが入れなくなる。てんちょが堪り兼ねてバナナを1本材木屋の方に投げた。すると集団は一斉に追い掛けていきバナナの奪い合いが始まった。さすがてんちょだ。モンキーの習性を熟知している。モンキー?あれっ、ヤンキーに見えたけど…。モンキーのヤンキーだったのか?


11月21日

 きのうの万引き事件はてんちょの胃に穴を開けたらしい。朝、珈琲を飲んだら、へそからちょろちょろ漏れて来たのだそうだ。みんなが嘘だ!と言って笑ったら、目の前で牛乳を飲んで見せてくれた。ホントに漏れていた。『ブラボー!すごい!』とみんな拍手をしたら、『グルと呼びなさい』などとワケの分らないことを言っていた。七味さんは漏れたミルクを舐めていた。

 今日も営業時間中、七味さんがサボりに来た。といっても今日は居眠りではなく読書をしていた。七味さんは「山本君も読む?」と言ってくれて、一緒に読んだ。ポールギャリコという人の書いた『ジェニー』という本だ。白ネコの恋と冒険の物語である。…すこしだけ七味さんを理解したような気がする。


11月20日(土)

 またやられた。3時半頃、女子高校性の集団が店内の商品をぐちゃぐちゃにしたあげく、万引きして行きやがったのだ。スカート、セーター、トートバッグ。ほんとにほんとにムカツク。てんちょが作った防犯カメラ1号2号も傑作コピーも役に立たなかったのだ。おそらくてんちょは今夜眠れないだろう。ぼくもハラが立って眠れないかもしれない。どうしてこんなに小さくてかわいくて貧乏な店から盗むのだろうか?お客さんを信じてはいけないのか?盗む人より盗まれる方が悪いのでしょうか?性善説か性悪説か。ああ神様、お願いです、お客さんを信じさせて下さい。我孫子の若いコを、人間を信じさせて下さい。…そんなことがあった最中、七味さんはヤツらにチヤホヤされていた。


11月18日

 CAMPERの靴は見ていると欲しくなる。ぼくの給料でこれを買うのはそれほど難しくはないが、お客さんのための商品なので我慢することにしよう。

 きょうの天井裏はいつもと違った。なんと、七味さんが仕事をサボりに来たのだ。信じられないことなのだが、休憩時間が終わっても、ずっと寝ていたのだ。すこしむかついたので、顔にイタズラ描きでもしてやろうかと思ったのだが、営業時間中ぼくは手足が使えないので、逆に鼻を引っ掻かれた。彼女はかわいいのに鋭い爪を隠し持っている。気をつけよう。

 ホームページをよく観ているお客さんが久々にきて、久々に買い物をしてくれた。『いま、お金がない』と言って、わざわざエスパのCDでお金を卸してきてくれた。ありがたい。こういうお客さんを大切にしなければ。


11月17日

 昨日はお店を休みにして、球技大会。種目はパチンコだと思っていた。しかし、正確に言うとパチンコ玉拾い大会であった。結果はスタッフ同志の秘密なのでここでは、書けない。残念ながら。

 今日は、裾にファーがついたベルベットのスカートが売れた。すごくかわいくてぼくに彼女がいたら絶対に着て欲しいものだ。トッツィーが『全自動』プリントのパーカーを買っていった。信頼できるいいヤツだと思う。友だちになりたいと思った。


11月15日

 明日はいよいよ球技大会だ。メインの種目はパチンコ。普段あまり練習をしていないので、自信が無い。


11月14日

 夜、ひさしぶりにふくすけのおやじが来た。ひとつアクビをして『あ〜あ、きょうはねむいな』とだけ言い残して去った。


11月13日

 朝、開店前の掃除をてんちょから頼まれたのだが、よしこさんと東京コレクションの話をしているうちに、開店時間になってしまった。てんちょが、掃除は終わりましたか?ときいたので、『ふにゃあ〜』とごまかしたら、殴られた。…言い方がまずかった。


11月12日

 きのう入荷したばかりのニットスカートが早くも完売した。売れるものはすぐ売れる。我孫子洋品店では、売れ筋だからといって同じものを大量入荷しない。「確かにビジネス的にはそれがマイナスとなる。わかってはいるけれども、よく来てくれるお客さんは新しいものをみたいのだから、やはり売れ筋だからといって同じものがいつまでも並んでいるのはつまらないだろう。」とてんちょは言うのだが、本当は大量に仕入れる資金が無いのだ。ぼくは知っている。

 今日の朝、てんちょは七味さんに店内の床掃除を頼んでいた。しかし、七味さんは掃除どころか走り回って遊んでコーデュロイパンツをファーだらけにしていた。七味さんの着ているファーは毛が抜けやすいのだ。「七味さん、掃除終わりましたか?」とてんちょがきいたら「ふにゃ?」とかワケの分らない言葉を発してとぼけていた。なんてつかえねーヤツなんだ。…それでもかわいいのでなんとなく許してしまう。

 夜、古着マニアらしき女の子が70年代の柄シャツを買った。結構いい値段がついていたのだが何のためらいもなく買った。マニアはこうでなくちゃ。かわいい女の子だったので、すこしドキッとした。


11月11日

 今日の天井裏は静かだった。


11月10日

 今日は朝から新人スタッフの七味さんがてんちょにまとわりついていた。仕事をしない七味さんに対してはぼくもよしこさんも不満を感じているのだが、かわいいのでなんとなく許してしまう。

 夜、国産ヴィンテージメンズコートが売れた。日本の昔の貴族が着ていたようなすばらしい出来のコートだ。昔は大量生産していないので街の仕立て屋がイギリスから生地を取り寄せて自分で仕立てていたのだ。職人の技がその一着に込められている。ほんとうはぼくが欲しかったのだが、ぼくの給料では半年以上働いても買えないものだ。

 きょうもアイツは来なかった。隣は繁昌している。なんだか悔しい。


11月9日

 我孫子市の市議会議員の宣伝カーが朝からうるさい。やたら候補者の名前を連発してがなりたてる宣伝カーはただの騒音公害だ。市政に興味が全くないわけではないが、候補者に興味が全く無い。論点や公約がどの候補者も同じように、介護保険や福祉についてばかりだ。市のお金の使い方ばかり考えて、財源の確保について語る候補がひとりもいないことに驚く。

 今日は大物が3着売れたおかげでなんとかそこそこの売上を確保できた。アディダスベンチコート、カウチンセーター、ファーコート。ファーのコートはみんなが狙っていためちゃめちゃカワイイもので、今まで残っていたのが不思議なものだ。


11月8日

 なんということだ。きのうが今年最悪だとおもっていたのに、今日の方がひどい。来店者数10名。売り上げ500円。

 夜、どうもアイツが来ないと思って、隣をのぞいたら、大繁昌していた。おやじたちの歓声が夜の我孫子に響く。やはり我孫子はおやじの街なのだろうか?


11月7日

 今日も最低だ。女子高生の集団が店内をぐちゃぐちゃにして帰った。かわいいー、やすいーと騒いでるくせに何も買わない。欲しいけどお金がない、なんて言ってる。文化屋雑貨店の袋を持っていたから原宿帰りだと思うけど、きっとぼったくられて、無駄遣いしてきたのだろう。もみくちゃにされた服をたたんだりハンガーにかけながら、てんちょが突然倒れた。『大丈夫ですか?』ときいたら、『いや、ちょっと立ち眩み…、大したことないよ』と言っていたが、ぼくはとても心配だ。この頃のてんちょは、体調が悪そうだ。きっと疲れがたまっているのだと思う。夜もあまり眠れないみたいだし、食欲もないようだ。そろそろぼくの時給の値下げをお願いしよう。

 夜になっても、お客さんはひとりも来ない。ふくすけのおやじが「どうだい、売れたかい?」と野球のボールを手で転がしながら入ってくる。相変わらず飲んでるようだ。てんちょはすこしムッとしたまま黙っていた。この頃のおやじはウチの店に女の子がいると後ろから『肩揉み攻撃』を仕掛ける。酒臭いおやじに攻撃された女の子は買い物を中止して逃げていく。彼女らは二度とウチの店には来なくなるのだ。これは絶対営業妨害だし、やめて欲しいのだけれど、てんちょは気が弱いのでそういうことをおやじに言えないでいる。しかもてんちょはやさしすぎて『ふくすけさん、暇なんですね、…売れませんか。…あとで焼き鳥買いに行きますよ』なんて言って、ウチの売り上げ以上の焼き鳥を注文したりするのだ。ああ見ているのがつらい。よしこさんも同じことを考えているのかと思ったけど、よし子さんの目は『いいのよ、やまもとくん。あのヒトはああいうヒトなの。』と語っていた。真面目すぎて営業スマイルのできないヒト、優しすぎて商売がへたなヒト、現実社会では生きるのが難しい。だからってなんなんだ。


11月6日

 政府の経済対策って、誰にどんな利益をもたらせたのだろうか?商工ローンでもうけた会社が問題になっているが、政府が金融救済という名目で銀行につぎこんだ国民の税金がそんなサラ金会社に融資されているのだそうだ。商工ローンの会社がもうけるのは銀行の貸し渋りが原因なのに。結局、税金を使ってしていることは銀行とサラ金会社による弱小企業いじめということになる。弱いところから搾り取ろうとするのが日本の金融業の仕事なんですか?国民の怒りはどこに向ければいいのか?みんなどうしているのだろうか?ただニュースを観ながら安酒飲んでることしかできないのか?働いても働いても暮らしは楽にならない。ため息ばかりの経営者のみなさん、もうちょと生きていましょうね。


11月5日

 きょうは最悪だった。天気はいいのにお客さんは来ない。


11月4日

 きのうてんちょが作っていた「ボウハンくん2」は超小型機で性能が良い。これで万引きもなくなるだろう。

 お客さんが同じ時間帯に集中するのは、しょうがないことだけど、ウチの店は狭いのでお客さんが多いときはゆっくり商品が見れなくて申し訳なく思う。きょうも昼間は暇だったけど、夕方になりどっとお客さんであふれた。洋品店ではもともと積極的な接客はしていないけど、馴染みのお客さんにろくに御挨拶もできないのが、こころ苦しい。もう少し広い店だったら、どんなにうれしいか。ぼくの夢、…我孫子洋品店が駅前に大きな自社ビルを建て、1階が古着で2階が雑貨とリメイク室、そして屋上にはみんなが集まるサロン。…なぜだろう。ため息が出てくるのだ。

 この頃、よしこさんの元気がない。たぶん、てんちょが新スタッフの七味さんばかり可愛がっているからだ。よしこさんを見ているのがつらい。てんちょとぼくたちスタッフのチームワークが心配だ。


11月3日

 きょうは文化の日。雨でもないのにお客さんは少ない。暇だったのでてんちょは防犯カメラ2号機を作っていた。こんなに小さくてかわいくて貧乏なお店なのに万引きするヒトがいるからだ。「全てのヒトをおれは信じる」と日頃てんちょが語っているけど、…どうしようもないことのか。なんだかひどく淋しい。

 夕方、オトコ2人のお客さんが入ってきて、商品をなにも見ないで出ていった。久々にむかついた。この店を何屋だと思って入って来たのだろうか?入店したからには、商品を物色するのが古着屋の客の礼儀であるとぼくは思う。

 夜、7時以降はお客さんはひとりも来ない。淋しい秋の夜でした。じゃ、また。


11月1日

 ぼくの日記コーナーが再開した。最後の日記が今年の2月だからホントに久々に表舞台に立てるということだ。この頃はよしこさんばかりが目立っていてぼくの存在が薄れていたのでとてもうれしい。ときどきぼく宛にメールをくれるお客さんもいて、「店番日記をまたやって欲しい」と書いてくれる。とても励みになる。そんなこと言われたら「もう、給料なんかいらない」っていう気になる。これからは、まめに日誌をつけることにする。

 今年は、10月初めまで暑かったせいで、秋物が売れない。てんちょはこの秋もぼくたちの給料と高い家賃のためにせっせと内職をしている。相変わらず厳しい状況が続く。明日はお店は休みだというのにてんちょはバイトだそうだ。何の仕事なのかてんちょは言わない。きっと恥ずかしい仕事かかなりやばい仕事なのだろう。あまり触れないでおこう。

 今日は特に雨が降っていて、お客さんは少ない。タマにきてくれるお客さんが、Tシャツと半袖スウェットを買ってくれた。大事にしたいお客様だ。雨の日に来てくれるお客様はホントにうれしい。雨の日のお客様には何かサービスするべきじゃないだろうか?こんど、てんちょに提案しよう。


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